東京電力ホールディングス株式会社と開発した「防災ワクチン」の教材と研修の普及啓発活動が文部科学大臣表彰を受賞しました
2026.04.07
長岡技術科学地域防災実践研究センターと東京電力HD(株)が推進する地域のレジリエンス向上を目指した「防災ワクチン」の活動が、このたび令和8年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)を受賞しました。本賞は、科学技術の振興に顕著な功績を挙げた個人・団体に授与されるもので、特に理解増進部門は、地域における科学技術に関する知識の普及啓発に寄与した活動を対象としています。
本受賞は、新潟県や長岡市をはじめとする地域防災に取り組む各種団体の協力のもと、産学官民連携で取り組んできた学習・体験・普及活動が、科学技術の社会浸透と市民の理解促進に大きく貢献した点を高く評価されたものです。
なお、表彰式は4月15日(水曜)に文部科学省にて執り行われます。
受賞対象となった取り組みの概要
防災ワクチンの概念に立脚した教材と研修の普及啓発
【目的】災害を「他人事」と捉える社会課題に対し、知識中心の防災から当事者意識と主体性を育む「主体」防災への転換を目指す。
【内容】弱毒化した疑似体験によって内在する対応力を引き出す「防災ワクチン」の概念を提唱し、それを具現化する研修手法や学習教材の開発・普及に取り組む。
「防災ワクチン」の概念を体現する取組みとして、以下の研修手法・教材を体系的に開発し、学校・自治体・企業と連携した産学官協働による社会実装化
1.一枚の写真から災害リスクを読み解くワークショップ手法の考案
2.通電火災の仕組みを体験的に学べる「ブレーカーキット」の開発・商品化
3.家庭で停電を疑似体験する「ブラックアウト大作戦」の実施
【効果】子どもから大人までが災害を自分ごととして捉え、適時・的確に行動する力が育まれるとともに、通電火災の防止や停電への備えの向上が図られ、地域のレジリエンス強化と国民の安全・安心の確保に寄与している。
受賞者
- 長岡技術科学大学 機械系 教授 上村靖司(かみむら せいじ)
- 長岡技術科学大学 技術科学イノベーション系 教授 山口隆司(やまぐち たかし)
- 東京電力ホールディングス株式会社 フェロー(長岡技術科学大学 客員教授) 吉澤厚文(よしざわ あつふみ)
- 長岡技術科学大学 環境社会基盤系 准教授 渡利高大(わたり たかひろ)
- 長岡技術科学大学 技術科学イノベーション系 助教 Nur Adlin Binti Abu Bakar(ぬる あでりん びんてぃ あぶ ばかる)
関係者コメント
長岡技術科学大学 機械系 教授 上村靖司
この度は、文部科学大臣表彰科学技術賞という栄誉ある賞を受賞し、大変光栄に存じます。
この受賞は、地域の皆様や連携機関などこの活動に参加してくださった全ての方々のお力添えの賜物です。地震や雪害、豪雨など多くの災害を経験した新潟から生まれた「防災ワクチン」の考え方を全国、世界に広め、引き続き地域のレジリエンス向上に向け取り組んでまいりたいと存じます。
長岡技術科学大学 地域防災実践研究センター長 三浦友史
センター開所から今年で5年目を迎えます。「防災ワクチン」の教材開発は開所前から進められており絶えず進化しております。しかし、災害が起こる前に疑似体験により免疫を作るワクチンの考え方は変わりません。
センターではこの取組をはじめとし、防災・減災の教育研究シーズを関係皆様との連携により数多く社会実装化してまいりました。今後もセンターが掲げる「知の実践」に努め、自然災害に強いまちづくりに貢献してまいります。
東京電力ホールディングス株式会社 フェロー 吉澤厚文
このような素晴らしい賞を頂戴しましたこと、改めまして関係者及び「防災ワクチン」の活動にご参加いただいた皆さまに感謝申し上げます。当社は、引き続き、長岡技科大との「知の実践」を通じた研究・開発に取り組み、新潟県が提唱する防災産業クラスター形成事業への貢献を図ってまいります。
文部科学大臣表彰科学技術賞「理解増進部門」について
文部科学大臣表彰は、科学技術分野で顕著な成果を上げ、科学技術の振興に寄与した個人・団体を称える制度です。科学技術賞は「開発部門」「研究部門」「科学技術振興部門」「理解増進部門」に分かれ、本受賞は青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心及び理解の増進等に寄与し、又は地域において科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った個人又はグループに贈られます。
お問い合わせ
長岡技術科学大学 地域防災実践研究センター事務局
地域共創課 地域共創推進係
TEL:0258-47-9298
E-mail:chiikijcom.nagaokaut.ac.jp